ワークを行ったきっかけ
普段、自分なりにストレス対策をしていますが、作業療法士という仕事をしていて、利用者さんのケアすることに、疲労感やストレスを感じることがあります。
昔、作業療法士になりたての頃、父親の介護と仕事のストレスが重なり、怒りっぽくなったり、やけに涙もろくなったり、食欲低下、不眠などの不調がばんばん出て、辛かった時期がありました。
そんな状態になると、人のことをケアしている場合ではなくなってしまうので、自分のケアは大切だと、人一倍感じています。
そんな中、ケアをする人にもセルフ・コンパッションが大切であることを、参考文献で知ったので、自分で試してみました。
参考文献の紹介
マインドフル・セルフ・コンパッションワークブック
自分を受け入れ、しなやかに生きるためのガイド
<著>クリスティン・ネフ、クリストファー・ガーマー
<監訳>富田拓郎
<訳>大宮宗一郎、菊地 創、高橋りや、井口萌娜
セルフ・コンパッションとは
参考文献の第一章に書いてあります。
セルフ・コンパッションとは、大変な状況にある友達が、仮にもこの大変な状況を振り払ったり、うまくいかないと感じたり、あるいは辛い人生の課題に直面しているさなかであったとしても、その友達に接するように、自分に接することです。
p9より
ちなみに、
セルフ・コンパッションを用いると、自分自身を敵から味方にすることができるそうです!
なぜ、セルフコンパッションがバーンアウト防止になるのか
参考文献p148にこんなことが書いてありました。
苦しんでいる人をケアする場合、共感的共鳴のプロセスとは、苦しむ人々のストレスを自分のストレスとして感じることです。他者が苦しんでいるのを見ると、自分の脳の痛み中枢が活性化されます。
p148
なるほどー(・_・D
脳のしくみで、「共感」によるストレスがあるのですねぇ( ;∀;)
それでケアする人が、バーンアウトする可能性がある…( ;∀;)
でもって、
この「共感」は、
「あなたの気持ちわかるよ」というもので、
それに対して、
コンパッションは、
「あなたを抱きしめるよ」と言って、ポジティブ感情を生み出すそうです!
おー!!( ゚Д゚)
共感は、疲れてしまうけど、
コンパッションなら、ポジティブ感情になれるのですねΣ(´∀`;)
といったわけで、
「共感」することで痛みを感じたら、ケアをしている相手だけでなく、自分自身にコンパッションを向けることが大切なのだそうです!
これはさっそくやってみたいと思いました。
今回行ったワーク
参考文献の第19章
介護と子育てのセルフ・コンパッション
の、「平静を保つコンパッション」というワークを行ってみました。
~ワークの簡単な説明~(省略しているところあり)
- 心地よい姿勢で、深呼吸。手を胸などの安心できる場所に置く。
- 世話したり面倒を見たりするときに、疲れやイライラを感じる人を思い浮かべる。(入門なので子どもはなし)
- 世話をしている状況をイメージして、身体で辛さを感じていく。
- 下記の言葉を読んで、優しく広げる
私たち一人一人、自分の人生を生きている。
自分はこの人の苦しみの原因ではないし、
その苦しみを取り除きたいと思っても、
自分の力でできることでもない。
こういうときは耐えがたいけれども、
できると思ったら、またやってみればいい。
※身体で感じているストレスに気づきながら、息を深く吸って、コンパッションを身体にいきわたらせる。身体のあらゆる細胞をコンパッションで満たしていく。息を深く吸って、自分に必要なコンパッションを与え、自分をなだめていく。
さらに、このワークブックには
コンパッションを与える方法が書いてあります。
そして、再度上記の言葉(赤太字の文)を繰り返して
ありのままの自分を受けいれる…
といったようなワークでした。
ワークを行ってみた感想
このワークをやってみて思ったのは、
確かに気持ちが少し軽くなる\(◎o◎)/
なんていうか、
私は、他人の課題と自分の課題がしっかりわかっていると思っていましたが、
他人の課題に頭を悩ませている自分に気づけて、受け入れられました。
このワークの中に、(ブログでは省略していますが)
「自分のために息ひとつ、あなたのために息ひとつ」
「自分に吸って、あなたに吐く」という所があるのですが、
それを行っている時に、気づけました。
どこか、利用者さんの調子の悪さは自分のせいではないかと気にかけ、ストレスになっている所があるので。自分にもコンパッションをかけながら、ケアすることは大切だと思いました。
まとめ
ケアする人は、共感による疲労からバーンアウトしてしまう可能性があり、セルフケアをすることは大切。
共感することで痛みを感じたら、ケアしている相手だけでなく、自分自身にコンパッションを受けることが必要で、ケアする人自身の内面が穏やかになれば、その人にケアされる人も穏やかになるとのこと。
今回、行ってみた介護と子育てのセルフ・コンパッションの章の
「平静を保つコンパッション」のワークは、
自分がケアしている時に感じたストレスを、身体や心であらためて向き合えるもので、実施してみたら、心が軽くなったと感じました。
担当している利用者さんの調子が悪いのは、自分のせいであるかもという不安があったことに気づけて、自分にも思いやりをかけてあげることを忘れていたことにも気づけました。
といったわけで、
ケアする側のセルフケアも大切だと思いました。
私のように、誰かのケアをする中で、ストレスがあると思っている方は、心が軽くなったこのワークを、試してみることをおすすめします!
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