この本を読んだきっかけ
本屋さんで偶然みつけたのですが、黄色の帯で目立っていたんです。
でもって、「いじめ、性犯罪、殺人、児童虐待 その背後にあるのは認知のゆがみだ!」と帯に書いてあり、読んでみたくなりました。
普段、精神科訪問看護で接する利用者さんの中にも、認知のゆがみがあるのでは?と感じる方がいるのですが、特に犯罪のにおいは感じません。
犯罪をしてしまう子と、そうはならない子との差は何なのだろうか。
この本に書いてある認知のゆがみとは何なのか、
気になって読んでみることにしました。
本の紹介
ケーキの切れない非行少年たち
著者紹介
宮口 幸治
立命館大学産業社会学部教授。
児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務。
困っている子どもたちの支援を行う「コグトレ研究会」を主宰。
医学博士。臨床心理士。
認知のゆがみ
この本には非行少年に共通する特徴の中で、認知機能の弱さを挙げています。
さらにそれが理由で、世の中のすべてが歪んで見えている可能性があると書いています。
認知機能とは、
記憶、知覚、注意、言語理解、判断・推論といったいくつかの要素が含まれた知的機能を指します。
p49.11行目
つまり認知機能は、
受動・能動を問わず、すべての行動の基盤でもあり、教育・支援を受ける土台でもあるのです。
p49.15行目~p50.1行目
例えば、知覚において
「見る力」「聞く力」が歪んでいたら…
また、正しく知覚しても
間違って整理(認知)していたらどうなるでしょうか。
一生懸命計画を立てて頑張っても最初の情報が歪んでいるので明後日の方向に向かって進んでしまう、という結果を招くのです。
p50.9行目~
といったわけで、
認知機能が弱いことが“不適切な行動”につながっていることが考えられるそうです。
非行少年に共通する特徴
下記は、この本に書いてある非行少年の特徴です。p47~48
- 認知機能の弱さ…見たり聞いたり想像する力が弱い
- 感情統制の弱さ…感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる
- 融通の利かなさ…何でも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い
- 不適切な自己評価…自分の問題点が分からない。自信があり過ぎる、なさ過ぎる
- 対人スキルの乏しさ…人とのコミュニケーションが苦手
- 身体的不器用さ…力加減ができない、身体の使い方が不器用(スポーツ経験者だとあてはまらないこともある)
担当している、利用者さんの中にも、
接している中で、上記の特徴を持っていると感じる方もいます。
でも、いまのところ、犯罪につながる行為をする方はいないです。
自分なりに何でだろうかと考えてみたのですが、
認知のゆがみの程度が違うことや、支援者の有無、
あとは大人だからかな、と思いました。
上記の特徴はありながらも、それなりに社会性などを身に着けて、色々な経験を通じて学習してきたことで、行ってはいけない行為などを理解しているからではないかと思いました。
まとめ
認知のゆがみから問題行動を起こしてしまう可能性があることがわかりました。
この本には、認知機能に着目した新しい治療教育(コグトレ)が紹介されていました。
コグトレが大人にも効果があるかは本に記載がなく不明ですが、作業療法のプログラムに認知機能のことも考えていくことも大切だと思いました。
180ページぐらいで読みやすい本です。少年院のことなど知らなかったことがたくさん書いてあって面白いのでぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
コメント