この本を読んだきっかけ
夫が精神科作業療法の勉強会に行き、萱間先生から紹介された本です。リカバリー・退院支援・地域連携のためのという題名に惹かれて購入しました。
本の紹介
リカバリー・退院支援・地域連携のための
ストレングスモデル実践活用術
萱間 真美
この本は、精神科訪問看護の制度、効果、アウトリーチ推進事業などの研究に20年余取り組まれている、萱間 真美先生が書いた本で、
行き詰まり感を解消する「ストレングスモデル」について、その必要性、役割、活用方法などが書かれています。
デザインがシンプルで、かつ事例もたくさん載っており、活用できるシートもついているため、とても役に立つ本です。
この本の目次
- introduction
- 第1章 看護に必須の時代へ
- 第2章 臨床看護における実践活用法
- 第3章 教育の場での実践活用法
- 謝辞
- 付録(ストレングス・マッピングシート)
- 索引
- 困ったときのINDEX
ストレングスモデルとは
ストレングスモデルの必要性p2~に書いてありました。
ストレングスモデルは、1990年代前半に米国カンザス大学の社会福祉学部教授、チャールズ・A・ラップらによって提唱された障害者への支援技法で、従来のケアのとらえ方を転換するためのアプローチである。
p2.18行目~
これまで、医療における支援といえば、問題解決モデル-本人の問題に焦点を当て、それを解決するための計画を立て、実践する-が中心だった。
これに対してストレングスモデルは、その焦点を当事者の「ストレングス=強み」に当て、それを生かして支援を組み立てていくものである。
p2.21行目~
ストレングスモデルを活用しよう
この本には付録で、ストレングスマッピングシートがついていて、
これがとても使いやすいので、助かりました。
ストレングスマッピングシートの書き方と問いかけのコツp55~が書いてあり、
p72には「ストレングス・マッピングシートと対話の基本9箇条」が書いてありました。
対話の基本9箇条
- 問題解決モデルから脱却すると楽になる。
- 本人が何でも知っている(専門家は知らない)。
- このシートは単なる「メモ用紙」「情報収集用紙」である。
- このシートで収集された情報は、すべてストレングス(強み)の方向で書こう。
- どんな夢なのか、関心を持って聞いてみよう
- 夢が実現可能かどうかは問題ではない。どのような夢でも、目標へのスモールステップに下ろすことは可能だ。
- ポジティブな方向の言葉(~できる)を使おう。
- 看護師の推測や思い込みで進めてしまうのではなく、すべて本人に聞こう。
- Why「なぜ」じゃなくてHow「どんなふうに」と聞こう。
これらを意識して、マッピングシートを埋めてみたところ、利用者さんが前向きになり、主体性が出てくることが多くなったと感じました。
まとめ
ストレングスモデルは、目標を見失い気味な、いわゆる「行き詰まり感」を解消するのにとても良いモデルで、
この考え方を取り入れると対象者の方の主体性が引き出せると思いました。
この本のマッピングシートはとても使いやすく、すぐにでも利用できるので超おすすめです。
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