今回読んだ本
自分を傷つけてしまう人のための
レスキューガイド
監修 松本 俊彦
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
薬物依存研究部部長、
病院薬物依存症治療センターセンター長
自傷行為、摂食障害、
物質乱用・依存に悩む人の
回復と支援のために
この本を読んだきっかけ
訪問で担当している方で、自傷行為をしている方がいるのですが、自分でもやめたいのに、中々やめられず困っている方が多いんです。
この本はずいぶん前に購入した本なのですが、自傷行為がある方への関わり方について、
ヒントをたくさんもらえて、自傷行為がほとんどなくなった方もいたので、改めて読み直してみました。
この本の目次
- 自分を傷つけてしまう人へ
- 自分を傷つける行為はつながっている
- 自分を傷つける人たち
- 第1章 自傷行為とは
- 第2章 なぜ自分を傷つけるのか
- 第3章 検査と診断
- 第4章 家庭でできる工夫
- 第5章 回復への道のり
- 結びに
自傷行為とは
この本のp18~わかりやすく書いてありました。
広義の自傷行為は自分を傷つけることです。
p18.5行目
自傷行為には、直接的な自傷行為と、
間接的な自傷行為があるそうで、
直接的な自傷行為は
自分で自分を直接的に傷つける行為。自殺の意思はない
・リストカットなど
があり
一方、
間接的な自傷行為は
自身を傷つける意思はないが、長期的には健康を損なう行為で
・摂食障害(過食・拒食などの食行動異常)
・物質乱用・依存(アルコール、薬物など)
・危険行為(スピード違反)など
があてはまるそうです。
直接的な自傷行為の説明
自傷行為とは、自殺以外の目的から、非致死性の予測をもって(「これくらいであれば死ぬことはない」と予測して)故意に自らの身体に、直接的に、軽度の損傷を与える行為のことであり、その行為が心理的に、あるいは対人関係的に好ましい変化をもたらすことにより、その効果を求めてくり返される傾向にある
p21~
ただちに生命に関わらないという点が特徴とのことです。
自傷行為に加えて「間接的な自己破壊的行動」と過剰服薬の経験がある人は、自殺リスクが高まるとありました。
支援のヒントになったこと
この本には、自傷行為のある方に対して、
家庭でできる工夫が載っており、とても勉強になりました。
なかでも、不適切な反応と適切な反応は、
はやめに家族の方に教えておくと良いと思いました。
不適切な反応
- 驚いて怪訝な表情を浮かべる
- 叱責・非難する
- 「もう二度としない」と約束させる
- なんと声をかけてよいかわからず見て見ぬふり
- 自傷が持つ、他者に対するパワーに気づかせてしまう
適切な反応
- 穏やかに冷静な態度で向き合う
- 告白をねぎらう
- 自傷せざるを得なかった状況に関心をもつ
そしてp128~
本人ができることが書いてあり、
これも支援のヒントになりました。
本人ができること
- 観察する
- 自傷日記をつける
- トリガーを見つける
- アンカーを見つける
- 置換スキルを身につける
観察のポイントp128
- 傷つける場所・傷の様子・方法
- きっかけの感情・認知
- 衝動から実行までの時間
- 痛みの知覚と記憶
- 食行動異常の有無
- 物質を摂取したか
- ボディモディフィケーションの有無(ピアス・タトゥーなど)
- 自傷後の気分・感情
- どんなときに衝動が強くなるか
- どうすれば行為から抜け出せるか
これらの観察のポイントは、とても参考になりました。
まとめ
本の結びにこう書いてあります。この本の通りにしなくても良いのです。と、
「イイトコ取り」をお勧めしていました。
また、自傷行為はある日ピタッと止まるようなものではないとも書いてありました。
私の関わっている方々も、その通りで、自傷行為がなくなってはいないものの、
だんだんと少なくなっている方がほとんどです。
この本のヒントを「イイトコ取り」していくのはとても良いと思いました。
読みやすくて、家族や本人へ説明するのにも役に立つ本です!
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