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どうして「自己愛人間」にふりまわされてしまう人がいるのだろう?

読書感想

この本を読んだきっかけ

職場に自己愛強めで、いわゆる“かまってちゃん”と言った感じの、女性がいます。

私は、以前からその人を、自己愛性パーソナリティー障害じゃないかなと思っていました。

その方が、毎回おなじ人と揉めたり(攻撃する)、上司のプライベート時間おかまいなしに電話をかけて、仕事の相談をしたりで、困っている人たちから相談を受けたので、そもそもこの人は自己愛人間なのか??そして良い対処法のヒントになることはないか、読んでみることにしました。

今回読んだ本

結局、自分のことしか考えない人たち:自己愛人間への対応術

サンディ・ホチキス

江口泰子[訳]

著者紹介

サンディ・ホチキス

心理学博士、精神分析医、公認臨床ソーシャルワーカー。セラピストとして30年以上のキャリアをもつ。専門分野はパーソナリティー障害、特に自己愛性パーソナリティー障害とその対人関係。カルフォルニア州パサデナで開業しており、ニューポート精神分析研究所で教鞭も執る。

(訳者)

江口泰子(えぐち・たいこ)

法政大学法学部卒業。編集事務所、広告企画会社をへて翻訳業に従事。

本の内容(ジェームス・F・マスターソン博士・本書によせてより)

自己愛性パーソナリティー障害を抱えた人間と関わる人は、彼らの矛盾した行動や態度を目にして驚き、戸惑うとのこと。

自己愛の欲求は「絶えず周囲の承認や称賛を求める」というかたちであらわれるそうです。

彼らは「自己愛の脆さと防衛のサイクルにとらわれている」とのことで、そのことについて、周囲の理解を助ける本があればよいのに…と思っていたところで、この本に出会ったそうです。

専門家にせよ一般読者にせよ、自己愛性パーソナリティー障害について理解を深めたい人にとって必読の書とのことです。

この本の目次

  • 第1部 自己愛人間の7つの大罪
  • 第2部 自己愛はどこから生まれるのか
  • 第3部 自己愛人間から身を守る4つの戦略
  • 第4部 あなたのまわりの自己愛人間たち
  • 第5部 子どもを自己愛人間にしないために

自己愛人間とは

本のイントロダクションにこう書いてありました。

“彼らはどこにでもいる”とのことです。

彼らはパーソナリティ上の欠陥を抱え、自分をすばらしい特別な人間だと思い込み、自己中心的な行動を見せたり態度を取ったりする。

その病の名を自己愛(ナルシシズム)といい、自己愛の強い傲慢な人間を自己愛人間(ナルシシスト)と呼ぶ。

健全な自己愛は、真の自尊心の上に成り立つそうですが、それが欠けているのが、自己愛人間なのだそうです。

この本には自己愛人間の7つの大罪として

自己愛人間の7つの特徴を書いてくれています。

以下に、簡単にまとめてみました。


1.恥を知らない

自己愛人間は、恥を健全に処理できないそうで、恥を覚えるできごとに立ち向かい、その感情を中和して前に進むことができないそうです。

ちなみに、恥を回避するのに、人のせいにしがちで、その方法を「回避された恥」と呼ぶそうです。


2.歪曲して、幻想をつくりだす

自己愛人間は、自分より優れた人間が存在することを認めたくないので、「魔術的思考(マジカルシンキング)」を使うそうです。

マジカルシンキングとは、何かのできごとが起きた時に、因果関係がない別のできごとに原因を見出す思考を指すそうで、「ヤツが事故に遭ったのは、あの時、腹を立てた自分が呪いの言葉を吐いたからに違いない」みたいな考えだそうです。


3.傲慢な態度で見下す

自己愛人間は膨らんだ自尊心でできた脆い風船だそうです。

「ほかの人よりも」優れていなければ価値を感じられず、つねに誰か、何かと比較して、自分が相対的な尺度で勝っていなければダメなのだそうです。


4.ねたみの対象をこき下ろす

自分が持っていないものをほかの誰かが持っている時、優越感を保ちたいという自己愛人間の欲求は妨げられてしまうので、軽蔑という手段を用いるとのこと。

そのため、自己愛人間は、ねたみが善意的な蔑み、増悪へとつながるそうです。


5.特別扱いを求める

自己愛人間は、幼少期の自己中心的な発達段階から持ち越された、特権意識があるとのこと。

自分の思いどおりにならないと激しい怒りを爆発させがち。

特権意識を振りかざす、1、2歳児の幻想の世界に生きているそうです。


6.他者を平気で利用する

恥に敏感な自己愛人間は、怒りや攻撃性を爆発させやすく、共感能力が低いとのこと。

自己愛人間にとって、相手は分離した個人ではなく、「自己の延長」でしかないそのこと。相手は自分の命令に従うために存在するので、平気で相手を利用してしまうそうです。


7.相手を自分の一部とみなす

幼少期に親の育て方によって、自己愛の正常な発達段階を、うまく通り抜けられずに、自己愛人間となってしまう場合があるとのことで、

自分に足りないものや、必要なものを与えてくれる相手を、自己の延長をみなして、自分と一体の存在として扱うそうです。


なんだか、ここまで読んだら

自己愛人間は、かなりヤバい人ですねぇ( ;∀;)

でも、ここまでひどくなくても

職場の“かまってちゃん”は、かなり当てはまってるΣ(・ω・ノ)ノ!

恥を回避してる感じと、共感能力がない感じ…( ;∀;)

これは、ぜひとも対処法を知りたいです(;’∀’)

自己愛人間にふりまわされない方法は4つ

本には、自己愛人間から身を守る4つの戦略が書いてありました!

これを自分なりにまとめてみました。


1.自分を知る

自己愛人間は、自分の好ましくない面をたえず相手に「投影」しているそうです。

よって「投影」のプロセスを理解することが大切とのこと。

相手の行動をコントロールするのではなく、自分の反応に気づき、抑えて、認める。

それには、相手から投影された、自分の弱みについて、過去にあった体験を思い出す必要があるそうです。


2.現実を受け入れる

自己愛人間は、自分の誇大感と万能感を支えるため、自分を承認し、いいつけに従う相手が必要なのだそうです。

普通に考えて、その相手にはなりたくないと思うのですが、

自信をなくしてしぼんだ自己を膨らませたい人は、自己愛人間の共犯になってしまうことがあるそうです。

そうならないためには、自己愛人間に対する自分の弱点を認めるとともに、自分の長所もきちんと認めることが大切だそうです。


3.境界を設定する

自己愛人間は、日常的に、特権意識を持って、あなたの境界を侵害するとのこと。

よって、身を守るためには、あなたのほうで、境界を設定することが大切だそうです。


4.相互関係を築く

自己愛人間から身を守るのに効果的な方法は、深く関わらないことだそうです。

自分自身の弱点を認めて、幻想や歪曲を見破り、利己的に利用しようとする相手から勇気を持って身を守れば、人生は変えられるそうです。


これらの4つの方法を読んで私が思ったことは、

私はマインドフルネス瞑想をいつも行っているから、振り回されないのかなと思いました。

でもって、「相手は変えられない」ということを、いつも意識しているのも、ストレスを感じない理由かと思いました。

まとめ

健全な自己愛は、真の自尊心の上に成り立つそうですが、それが欠けているのが、自己愛人間。

自己愛人間は、どこにでもいるとのことで、パーソナリティ上の欠陥を抱え、自分をすばらしい特別な人間だと思い込み、自己中心的な行動を見せたり態度を取ったりするそうです。

自己愛人間は“恥”を欠くことに敏感で、回避するために相手のせいにしたり、人を利用してしまうとのこと。

自己愛人間への対処法は、4つ書いてありました。自分の感想は、

相手との関係性を客観的に見て、己を知り、境界を設けることが大切だと感じました。

これは、精神科訪問看護で、パーソナリティ障害の方と接する際にも大切なことだと気づきました。

そして、客観的に自分や相手を見られるようになるために、マインドフルネス瞑想は役に立つのではないかとも思いました。

振り回されている人に、何かお手伝いできるとしたら、

「投影」の話を教えてあげようと思いました。

相手はあなたを攻撃しているのではなく、自分の嫌な面をあなたに映し出していて、それを感じ取って、あなたも同じように攻撃したくなっているかもなので、感情的になったら疲れますよ。と、

通じるかなぁ…。この本を読んでもらう方が早いですかね(^^;


それと、自己愛人間の対処法にギブ&テイクの本の考え方は大切ではないかと思いました!

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