今回読んだ本
コンコーダンス
患者の気持ちに寄り添うためのスキル21
安保 寛明
武藤 教志
この本を読んだきっかけ
職場の管理者に教えてもらった、YouTube liveでの勉強会「精神科看護を読み解く」で、この本の著者の武藤教志さんと、小瀬古伸幸さんが対談をされていたのですが、話の中でこの本を紹介されていて、ぜひ読んでみたいと思い、購入しました。
本の紹介(はじめにより)
「コンコーダンス(調和)」は、患者と援助者が目標を共有し、価値観を承認しあいながら物事を進める考え方で、患者を尊重する医療者の基本的な姿勢を表明する概念と言えるそうです。
この本は、「コンコーダンス」の考え方に基づいた患者支援を行いたいという医療・福祉の専門職者に向けて書いてあり、さらには、読者が患者や同僚などと協調した関係のもとに医療が展開される醍醐味を味わえるようにと願って書かれたそうです。
本には、患者の気持ちに寄り添うためのスキルが、具体的に21個書かれており、とてもわかりやすく実践的な本で、著者は、
山形県立保健医療大学保健医療学部准教授の安保 寛明先生と、
宝塚市立病院、精神看護専門看護師の武藤 教志先生のお二人です。
この本の目次
- 第1章 コンコーダンスとは 医療と患者のライフスタイルとの調和
- 第2章 コンコーダンスへ向かうための[介入]と【スキル】とは
- 第3章 コンコーダンス・スキルを活用した[介入]
- 第4章 コンコーダンス(調和)のための21スキル
- 第5章 コンコーダンス・スキルを実践で活用するために
- 第6章 コンコーダンス・スキルを組織で活用するために
- 付 録 面接用紙(テンプレート)
コンコーダンスとは
この本のp2のコンコーダンスとは-「患者の人生は患者のもの」を表明する-の章に書いてありました。
コンコーダンス(concordance)とは、「調和」「一致」を意味する英語です。
何と何が調和することをめざしているかというと、ひと言でいえば以下のような調和です。
患者の価値観やライフスタイルに、
患者にもたらされる医療や福祉のあり方が、調和する
p2より
ひえ〜Σ(・ω・ノ)ノ!なんか難しそうです…。
と思いながら、本を読み進めると、
コンプライアンスやアドヒアランスとの比較が書いてあり、
私にはこれが、わかりやすかったです!!
アドヒアランスは、コンプライアンスよりは患者の積極的な参加や自律性を重んじた概念とのこと。
しかし、アドヒアランスという言葉は「adhere(従う)」から、
「医療者の考えに従ってもらうためには積極的に患者にも参加してもらいたい」
というニュアンスが込められているそうです(*_*;
それに比べ、コンコーダンスは(concordance;調和、一致)という意味なので、
医療者と患者が対等な関係で意思決定に関わることを重視しているそうで、生活者である患者へのかかわりとしてふさわしいと言っていました。
作業療法をする時も、調和してご自身で意思決定してもらいたい(^▽^)/
これはぜひとも学びたいスキルだと思いました!
コミュニケーション力UPするには
コンコーダンスを実践するには、コミュニケーションの技術をもっていることが重要だそうです!
この本には、コミュニケーション上達のコツが3つ書いてありました。
それは…
1.イシューを明確化する
2.事実を起点に話を始める
3.経路と全体像の中に位置づける
だそうです。
これを簡単にまとめるのは難しいですが、
私なりに説明するなら、
相手と会話する時、
イシュー(論点)に向かって、
出発点、道のり、終点、現在地を見失わないのがコツってことだと思いました。
何の話だっけ?とか、そもそも何を話したいのかわからん状態は、
コミュニケーション取れてない状態ですよねぇ~( ;∀;)
コンコーダンスのためのスキル
この本の第4章には、
コンコーダンスのための21個のスキルが
1つひとつ丁寧に解説されていました。
このスキルを用いて、気をつけると、効果的な会話になるそうです!
コンコーダンスのための21スキル
- 相手の用いている言葉を使う
- オープン・クエスチョン
- クローズド・クエスチョン
- 要約
- リフレーミング
- リフレクション
- 支持と承認を示す
- コラボレーション
- 反映的傾聴
- 面接を相互に関係づける
- アジェンダの設定
- 柔軟に対応する
- 積極的な治療的スタンス
- 個人の選択とその責任を強調する
- コーピング・クエスチョン
- 患者の関心を維持する
- 抵抗を最小限にとどめる
- 矛盾を拡大する
- 情報を交換する
- スケーリング・クエスチョン
- ミラクル・クエスチョン
こんなにあるのですねぇ( ;∀;)
でも、これだけ会話する時の工夫する点があることを知れたので、
まだまだ、やれることがあったという嬉しさもありました!
まとめ
コンコーダンス(調和)は、医療者と患者が対等な関係で意思決定に関わることを重視している関わり方。
コンコーダンスを実践するにはコミュニケーションの技術UPは大切で、
そのコツにはイシュー(論点)を意識することが大切だということがわかりました。
コンコーダンス・スキルは、単なるコミュニケーションのガイドではないとのこと。
適切に組み合わせて使えば、一定の効果が期待できるエビデンス立証可能な方法だそうです!
私のように、コミュ力UPして、利用者さんと信頼関係を築きたいと思っている方。
この本を読むと、自分にどのスキルや考え方が足りないのか具体的にわかるので、ぜひとも読んでみることをお薦めします!
他にも作業療法士が身に着けたいスキルの本読んでます。
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