今回読んだ本
不安障害の認知行動療法(1)
パニック障害と広場恐怖
<不安障害から回復するための治療者向けガイドと患者さん向けマニュアル>
[著]キャビン・アンドリュース/マーク・クリーマー/ロッコ・クリーノ
/キャロライン・ハント/リサ・ランプ/アンドリュー・ペイジ
[監訳]古川壽亮
この本を読んだきっかけ
精神科訪問看護のリハビリを担当している方に、パニック障害で電車に乗りたくても乗れなくて困っている方がいます。
その利用者さんは、電車に乗って、大好きな野球を見に行くのが夢なのですが、自宅からすぐ戻って来られる範囲は自転車で移動は可能でも、遠方だと出かけることができない状況。
その方が、何でパニックが出るのか、どうやって治せばいいのか悩んでいたので、パニック障害に対して自分にできることや、リハビリの時に取り入れられることのヒントを得たくて、この本を読んでみました。
本の紹介
(監訳者序文より)
この本は、シドニーのニューサウスウェールズ大学セントビンセント病院不安抑うつ臨床研究所のGavin Andrews教授らによる、The Treatment of Anxiety Disorders:Clinician Guides and Patient Manuals 第2版(2002年、ケンブリッジ大学出版局)の日本語訳とのことです。
(本書の使い方より)
この本は、不安障害の治療について書かれていて、慢性の不安障害に苦しむ人々が健康を回復し、さらにその健康を保つべく援助する方法について記述してあるとのこと。
この本の特徴は、不安障害に対する患者さん向けマニュアルも備えていることで、ワークブックになっていて、とてもわかりやすく実践的な本です。
この本の目次
第1章 本書の使い方
第2章 不安障害すべてに共通する問題点
第3章 不安障害の治療総論-治療者向けガイド
第4章 パニック障害と広場恐怖-症状編
第5章 パニック障害と広場恐怖-治療編
第6章 パニック障害と広場恐怖-治療者向けガイド
第7章 パニック障害と広場恐怖-患者さん向けマニュアル
この本で勉強になったこと
ずばり、患者さん向けマニュアルの内容です。
このマニュアルはワークブックになっています。
内容は、以下の通り
(患者さん向けマニュアルの目次より)
- 不安、パニック、広場恐怖の本質
- 呼吸コントロール
- リラクゼーション・トレーニング
- 段階的暴露
- 認知再構成
- パニック感覚を再生する
- 毎日の生活でパニック感覚に慣れること
- ふたたび認知再構成について
- 進歩を確実なものにするために:今後のために
中々のボリューム( ゚Д゚)
でも、読んでみて、パニック障害のことや不安のことについて本質をくわしく書いてあり、患者さんがその本質を知るのは良いことなのだと思いました。
不安・パニック障害について簡単にまとめてみた
利用者さんも疑問を少しでも答えられるようにパニック障害や不安について、まとめてみました。
パニック障害とは、
パニック発作自体は非常にありふれたものなのに、発作が非常に頻繁であったり、次のパニック発作が起こるのではないかと、恐れながら過ごす時間が、長くなったりする状態のことだそうです。
で、パニック発作や広場恐怖の人は、回避行動をとるようになるとのことで、
典型的な3つの回避行動があるそうです。
- 発作と関連がありそうな場を避ける(例:ショッピングモールに行かない)
- パニックで身体的・社会的に大変なことになる感じを避ける(例:人目を避ける)
- 発作がコントロールできない感じを避ける(例:車の運転ができなそうで運転を避ける)
回避行動で、行かれない場所が増えて
引きこもりやすくなってしまうのですねぇ( ;∀;)
パニック障害・広場恐怖の原因
- ストレス
- 不安
- 過呼吸あるいは過換気
- 性格特徴
パニック発作の症状
他の人なら怖いと思わない状況で、急に不安や恐怖、不快感を強く感じることだそうで、
本にはたくさん症状の例が書いてありました。
一部の例:息切れ感、または息苦しさ、動機、目まい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ
ピリピリうずく感じ、または感覚麻痺、胸の圧迫感、痛み、窒息する感じ などなど…
他にもめちゃくちゃたくさん(*_*)
不安の本質
パニック障害に苦しむ人は、ほんの少しの不安に対しても、恐怖を抱いてしまうそうで、
これらの反応は、
「逃走か闘争か」「逃げるか戦うか」反応と呼ばれています。
これは、生きるのに必要な反応なのに、
これが敏感すぎると、「間違い警報」が鳴って、他の人より不安が高くなってしまうそうです!
なんで、間違い警報が起こるの?
第1はストレス
第2が過呼吸だそうです。
といったわけで!
ストレス対策と呼吸のコントロールは大切(^▽^)/
と、改めてわかりました。
ちなみに、この本の治療プログラムには、
呼吸コントロールや、リラクゼーション・トレーニング、具体的な認知行動療法のワークが載っていました。
呼吸やリラクゼーションは、現在リハビリで取り入れている、呼吸瞑想やボディスキャン瞑想に通じる所があり、不安の高い方には良いのではないかと思いました。
まとめ
パニック発作は他の人には何でもない所で、急に不安や恐怖感に襲われる発作で、発作の回数が多く、また発作がくるかもと恐れる時間が長いとパニック障害となるそうです。
パニック障害の原因には、ストレス、不安、過呼吸あるいは過換気、性格特徴があるとのこと。
症状もとてもたくさんありました( ゚Д゚)
パニック障害の人は不安が高く、「間違い警報」が作動してしまいがち、作動してしまう原因は、ストレスと過呼吸とのことでした。
現在、リハビリに簡単なストレッチやヨガ、時々マインドフルネス瞑想などを取り入れています。呼吸や体の緊張なども大切であるので、これからも実践していこうと思いました。
※ちなみに、この本はコピーや配布、販売することはダメとのことです。患者さん向けマニュアルのみは、1100円で販売されていました。読みたい方におすすめするのもありかと思いました。
不安対策に役立つ、マインドフルネスの本読んでます。
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