読んだきかっけ
2018年1月号の精神看護の雑誌で
横綱級ケースに遭遇! 私ならこうアセスメントし、こう介入する
という特集があり、これが本当に勉強になりました。
昨年、その内容が本になり、さらにわかりやすくまとめられていたので、
さっそく購入しました。
とにかく困った時にこの本を見ると、参考になることが満載なのです。
精神科訪問看護のおたすけ本
~本の紹介~
精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本
“横綱級”困難ケースにしないための技と型
小瀬古 伸幸
この本は、精神科認定看護師で、訪問看護ステーションみのりの統括所長である著者が、いわゆる「“横綱級”困難ケース」と言われる方が、横綱級ケースでなくなるような関わり方、ノウハウを書いた本。
具体的な事例が書いてあり、対応策を技や型として紹介しています。
横綱級ケースという言葉が世の中から消えていくことを願って書かれた本なので、
困ったことがあった時、この本を開くと具体的な打開策が思い浮かぶような本です。
この本の目次
- Ⅰ章 地域というのは、病院とココが違います
- Ⅱ章 “横綱級”困難ケースごとに見る技
- 横綱1 リストカットがやめられない人への対応技
- 横綱2 連続飲酒のループから抜け出せない人への対応技
- 横綱3 発話が少なく、思いや言葉が出しにくい人への対応技
- 横綱4 子どもを虐待してしまうが、その自覚がない人への対応技
- 横綱5 気をつけていても過活動になり、その後のうつが避けられない人への対応技
- 横綱6 母への要求が強く、イライラし、引きこもりと暴力がある人への対応技
- 横綱7 食事と飢餓感に思い込みとこだわりが強く、横になってばかりいる人への対応技
- 横綱8 要求をエスカレートさせていく人への対応技
- 横綱9 「訪問看護やめます」と電話で伝えてくる人への対応技
- 横綱10 家庭で孤軍奮闘し、怒りと死にたい思いを抱いている人への対応技
- 横綱11 精神的ストレスからくる腰痛で、生活が成り立たない人への対応技
- Ⅲ章 精神科訪問看護必須の型
この本にたすけられたこと
p164のフローチャート緊急時の対応がとても役立ちました。
一時、希死念慮が強くなっている方がいたのですが、金銭苦がつらいので、死のうと思う。と毎週のように予告している方がいました。
身寄りのない方で、入院もしたくないという方だったので、毎週訪問する度にヒヤヒヤしていました。
そんな時、カンファレンスでこの本のフローチャートを皆で確認しました。
すると、訪問する際の不安が軽減されました。
たすけられたこと その2
この本で、とても助けられている章があります。
それが、第Ⅰ章 地域というのは、病院とココが違いますp9~です!
私は、普段利用者さんへの対応で困った時、この本の第一章を読み返します。
参考にしていて、忘れてはいけないことを簡単にまとめました。
いつも助けられている章をまとめてみた
地域というのは、病院とココが違います
セルフケア能力が上がるように支援する
・本人が結果に関与すべき
・本人が主体となった行動を普段から支援する
主体性なくして地域生活は組み立てられない
・権利と責任を本人へ帰していくこと
・本人がいない場で本人のことを決めない
私たちのあるべき姿勢
・「精神科訪問看護は“管理”と“傾聴”」という誤解をしない
・4つのポイントを意識する
- 本人の「希望」は何か
- 調子が悪くなる「キーワード」「キーパターン」は何か
- 「いい感じの自分」とはどのような自分なのか
- 「元気を失いそうな注意サイン」「引き金」は何か
・目指すところは「自分の専門家は自分」
自分は、この第Ⅰ章を読み直すと、
対応策についての迷いが少なくなると思っています。
まとめ
精神科訪問看護で利用者さんへの対応に困った時、必ず有益なヒントをもらえる本です。
この本を読むと、迷いや不安が減り、自信をもって利用者さんと
関わることができるようになりました。
事例も、どこか何かが、自分に起きている事例とあてはまることが多く、
本当に参考になるので、いつもそばに置いておきたい、おたすけ本です。
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