今回読んだ本
作業療法の話をしよう
作業の力に気づくための
歴史・理論・実践
吉川 ひろみ 編集
この本を読んだきっかけ
仕事をしていて、「作業療法士と理学療法士って何が違うの?」と聞かれることが多々あります。
利用者さんにはもちろん、医療系の仕事ではない友人や、一緒に働く看護師さんや親にまで聞かれることがありました。
いつもうまく説明できていないような気がして、スマートにかっこよく答えたいゾと思っていました。
そんな時、「作業療法士とは何をする人か?」という帯が目に止まり、この本を読んでみました。
本の紹介
この本は、県立広島大学保健福祉学部作業療法科の教授である、吉川ひろみ先生が編集した本で、
アメリカの作業療法の100年の歴史をつづった本が出版されたのをきっかけに、執筆されたものです。作業療法の歴史や理論・実践について書いてあり、作業療法の魅力がつまっている本です。
この本の目次
- 第1章 作業療法のはじまりから今日まで
- 第2章 作業療法のことば
- 第3章 作業療法をする人
- 第4章 作業療法の物語
- 第5章 悩める作業療法士が開く扉
- 第6章 座談会「作業療法の話をしよう」
作業療法と理学療法の違いについて
この本にヒントがないか読んでみました。
まず、p15の「作業療法の核」という章にこんなことが書いてありました。
作業療法は誕生当初から、「わかる人にはわかるが、わからない人にはわからない」という性質をもっていました。
p15~
たしかに…だから良く質問されるんだなぁと。改めて関心(^^;
そんでもって、昔からこの疑問は多かったので、作業療法を説明する機運が世界中で盛り上がったそうです。
で、作業療法の核は作業であると確認したことで、作業療法全体を説明する理論が誕生し、発展しやすくなったとのことです。
でもって、その「作業」ですが、
これを説明するのが難しい……
作業とは何かを探求するための学問が生まれるほど(^^;
とりあえず定義を知っておいて損はないかと思いました。
p19の表4に作業の定義が1989年のものから掲載されています。
2006年のものを確認してみました。
WFOT(世界作業療法士連盟)
作業は人々が個人として、家族のなかで、コミュニティとともに行う日々の活動であり、時間を占有し人生に意味と目的をもたらす、作業には人々がする必要があること、したいこと、することが期待されていることが含まれる。
p19 表4より
何か難しい感じもするけど、わりとスッキリした文章で、深い思いがつまっているなぁと思いました。
この「作業」を核として、治療や援助などをしていくのが作業療法なんだと改めて確認しました。
p88には作業療法についてこんなことが書いてあります。
作業療法は、「作業を通して健康と幸福を促進する」あるいは「人々の健康と幸福を促進するため(中略)作業に焦点を当てた治療、指導、援助」であるとされています
p88
これは大変なヒントになりました!
私なりのスマートな答え
この本を読んで、私なりの答え方を考えてみました。
〇〇さん:「作業療法士と理学療法士って何が違うのぉ?」
自分:〇〇さんが行いたい作業があったら、その作業を、作業を使って治療するのが作業療法士で、理学を使って治療をするのが理学療法士なんですよぉ。
どうなんだろう(^_^;)全然スマートじゃない(T_T)
もはやスマートとか、かっこつけている場合ではないと思いました(^^;
でもって、理学をうまく説明できないのが落とし穴でした…運動とか物療とか⁉
これからは、例を挙げたりして、もっとわかりやすく答えたいと思いました。
まとめ
この本には作業療法の歴史や理論や実践の内容がいっぱいつまっており、自分がどれだけ歴史や理論を忘れているかを思い知らされました。
もっと作業療法の歴史や理論を勉強すれば、自信をもって作業療法と理学療法の違いをわかりやすく、かっこよく説明できるのではないかと思いました。
作業療法って何だっけと、改めて確認したい方におすすめの本だと思いました!
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