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作業療法士だってオレムのセルフケアモデルを使いたいぞー

読書感想

きっかけ

先日、GAFについてのオンラインでの勉強会に参加しました。


ちなみに、その勉強会の記事はこちらです↓↓

GAF尺度の点数間違ってた。セルフケアのアセスメントが大切だぁ。

上記の勉強会で、
オレムのセルフケアモデルの、セルフケアレベルの表を教えてもらい、

GAFの点数を付ける際にとても役に立つことを知りました。
ただ、この表を活用するには、もっとオレムのセルフケアモデルのことを知りたいと思い、

YouTubeでこの本を紹介していたので、読んでみることにしました。

今回読んだ本

(第2版)オレムのセルフケアモデル
事例を用いた看護過程の展開

宇佐美 しおり

鈴木 啓子

Patrica Underwood

この本の内容(まえがきより)

在院日数の短縮と診療報酬のマイナス改定、地域生活支援体制の整備と拡充は、病院の機能分化を促進し、医療施設依存の生活から自分の健康と生活は自分で支えるというセルフケアの考え方へと名実ともに変化してきているとのこと。
この本は、初版に続き、看護モデルの中でも実践、教育、研究によく用いられているセルフケアの考え方をさらに詳しく紹介してくれているものだそうです。
著者は、この本が様々な臨床家や看護師をめざす人々、またセルフケアの考え方で看護ケアを展開していきたい、という方々にとって一つの指針になるよう考えて書いたそうです。

オレムのセルフケアモデルとは

オレムというのは人の名前だそうです。
オレム・アンダーウッドさんが考えた一般看護理論を、セルフケア欠如の理論が精神科看護の焦点化に役立つとして、日本の稲岡らによって修正され、オレム・アンダーウッドモデルと名付けられたとのことです。
ちなみにオレムの看護理論は、以下の3つの理論から成り立っているそうです。
・セルフケア理論
・セルフケア不足の理論
・看護システム理論

セルフケアとは

では、理論の中に出てくるセルフケアって何と思い読んでみると…
セルフケア理論のp11にずばり書いてありました!


人は、生涯を通して日常生活の中で、生命を維持したり、自分自身を保持したり、自分の健康や安寧(幸福感や安心感)を継続できるような行動や学習をするものです。


セルフケアとは、人が生命、健康、安念を維持するために自分で行う活動です。

p11より

でもって、セルフケアが効果的に行われれば、人間の体の機能について統合性が増し、さらには人としての発達を促すことができるようになるそうです(^▽^)/

そして、セルフケア人間が基本的に持つニードを満たそうとするために起こるとのこと
ニードには、

  1. 普遍的セルフケアの領域
  2. 発達的セルフケアの領域
  3. 健康逸脱に関するセルフケアの領域


の3つがあるそうです。このそれぞれのニードに対して
自分なりに簡単にまとめてみました。


普遍的セルフケア領域のニード

人間が生きていくために必要なニードだそうです。
8つの領域に分けられています。

  • 十分な空気
  • 十分な水
  • 十分な食物の摂取
  • 排泄課程と排泄物に関するケアの提供
  • 活動と休息のバランスの維持
  • 孤独と人とのつきあいのバランス維持
  • 危険の予防
  • 正常でありたいというニードに応じた社会集団の中での人間の機能と発達の促進

この本には、表2.1に、
セルフケア要件を充足させるための一般行動の表がありました(^▽^)/


発達的セルフケア領域のニード


発達に関するニードを強調するため、普遍的セルフケアと分けたものだそうです。
2つのタイプがあるとのこと。
1つは、生命の過程を支え発達を促進する状態、すなわち人がより高いレベルで統合され、成熟していくためのニード

もう1つは、人間の発達を阻害する可能性のある状態に対してケアをしたいというものだそうです。


健康が逸脱した時のセルフケア領域のニード


人が病気や損傷を受けたり、医学的な診断や治療を受けざるをえなくなった時に必要となってくるニードだそうです。

以上のニードがあるから、
人は、自分のことをケアしようとするのだそうです。

オレム・アンダーウッドモデルを取り入れよう

第4章のⅡに、オレム・アンダーウッドモデルを用いた看護過程を展開するにあたっての基礎的項目という章があり、
p57から基礎的項目が書いてありました!


そこに、セルフケアの状態をみる1つの方法として
記録用紙が紹介されていました。

その記録用紙は…

1)空気・水・食事
2)排泄
3)個人衛生
4)活動と休息のバランス
5)孤独と人とのつきあいのバランス
6)危険の予知(自分を守る能力)

の項目があって、それぞれ

レベル1(全代償システム)…全介助
レベル2(一部代償システム)…部分介助
レベル3(支持・教育システム)…指示・教育

のどこにあてはまるか記入する用紙でした。

また、本の付録にはセルフケアレベルの把握と査定という表もあり、
セルフケアレベルを数値化することができ、
この表がGAFの勉強会でも紹介されていました(^▽^)/
この表が使えると、GAFの点数の根拠も述べやすくなるそうです。

まとめ

GAFの勉強会で知ったセルフケアレベルの表ですが、
看護師さんが取り入れている、オレム・アンダーウッドモデルの本で紹介されていました。
看護理論だから、作業療法士は取り入れづらいものかと思いましたが、セルフケア状態を把握する際に使用できる記録用紙は、うちの看護師さんも持っていて、自分も利用できると思いました。

私(作業療法士)が担当する方は、セルフケアレベルの高めの方が多いですが、ちょっとしたところで体調を崩しがち…。
この表で考えると、どこの部分が弱いのか話す時、看護師さんと連携がとりやすいと感じられたので、今後も積極的に取り入れていこうと思いました。

私のように、精神科訪問看護のリハビリで、オレムのセルフケアモデルを取り入れてみたいと思った方は、ぜひ読んでみることをおすすめします!


GAFの勉強会の記事も書いてます

こちらの記事もぜひ_(._.)_

    ↓↓
GAF尺度の点数間違ってた。セルフケアのアセスメントが大切だぁ。

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