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大人の発達障害の本は、続編も勉強になる本だった。

読書感想

本の紹介

大人の発達障害ってそういうことだったのか その後

宮岡 等 × 内山 登紀夫

この本は、2013年に発刊された「大人の発達障害ってそういうことだったのか」の5年後に出版されたもので、精神科医の宮岡等先生とよこはま発達クリニック院長の内山登紀夫先生が大人の発達障害について、対談した内容が本になったものです。

読んだきっかけ

前著がとてもためになって、ありがたーい本だったので、読み終わってから続編があることを知って、すぐにAmazonでポチッとして、読みました。この本も、前作同様に対談形式なので、読みやすいし、さらに下段のスペースに解説がついていて、とてもわかりやすいんです。

この本の目次

  • 第1章 少し長めのイントロダクション
  • 第2章 診断・治療総論
  • 第3章 ADHDの話
  • 第4章 自閉症スペクトラムの話
  • 第5章 ケースから考える大人の発達障害
  • 第6章 大人の発達障害にまつわるエトセトラ
  • 対談を終えて-内山登紀夫
  • 対談を終えて-宮岡 等

勉強になったところ

この本は、前著よりも具体的なことが書いてある印象。症例の話も増えて読み応え抜群でした。

私は、作業療法士なのでリハビリのことやコメディカルへのメッセージが書いてあったので、その章が大変勉強になりました。

第4章自閉症スペクトラムの話で【リハビリテーション】の話が出てきます(p181)

社会化するのが必ずしもよいとは限らない画一的に行うと副作用がでる場合も

p181.2行目~

内山先生はこう言っています

(非薬物療法としてのリハビリテーションはどんなことが効果的?の質問に対して)

これは個々のケースでぜんぜん違いますし、本人の動機があるかないかでもだいぶかわってきます。今はわりと一律にやっていることが多いですよね。就労支援の現場でも精神科のデイケアでもそう。内容としては「友だち作ろう系」「社会に適応しよう系」のものが多いのですが、正直言って、社会化するのが必ずしもよいとは限らない人もたくさんいます。

p181.9行目~

これを読んだとき、こういった方に個別に対応できる訪問看護はとても有効なのではないかと感じました。

私の担当する利用者さんに、ASDの方がいるのですが、就労支援施設に、体験利用はできるのですが、本登録して、いざ通い始めようとすると調子が落ちてしまい中々働けない方がいます。

この利用者さんは、就労支援を通うことがいいことはわかっているのだけど、周りから勧められすぎて、通えない自分はダメなんだと思い、抑うつ状態となっていました。

よく話を聞いてみると、この方は就労支援施設に通う目的について、体力のアップや、友人を作ることや、社会に慣れるといったことも少しはあるけど、それよりもとにかく暇な時間に、お金になるようなことをしたい!というのが一番の動機であることを聞くことができました。

そこからは、訪問した際に、人から作業所について言われて落ち込んだりした時に、ご自分の動機を思い出してもらえるよう関わるようにしました。

以前は、通えなかった作業所をすぐに辞めてしまいましたが、現在は、登録はしたまま、通えない時は、お休みをしてスタッフとは良好な関係を築けています。

ASDの方は自分の思いを上手に表現するのが苦手な方が多いので、個別にゆっくりと対応できるのは、訪問の強みだと改めて気づきました。

勉強になったこと(その2)

第6章 大人の発達障害にまつわるエトセトラの話で【コメディカルへのTake home Message①②】が出てきます。(p287.293)

精神科医の診断を鵜呑みにしすぎない心理職も診断の視点を持って対応を

p287.2行

特定の精神科医に心酔しないほうがよい心理テストへの過度な信頼も禁物

p293.2行

宮岡先生は、発達障害に関する本も、幅広く読んでみて、それぞれをしっかり理解してと言っています。

精神科医の診断だけを頼りにしすぎず、これからは、もっと色々な文献を読んで勉強しなければ!とモチベーションが上がりました。

まとめ

「大人の発達障害ってそういうことだったのか」の本は続編も読みやすくてためになる本だけど、もっと色々な先生が書いたものを読んで勉強する必要があると気づかされた本でした。

ただ、小難しい本をいきなり読むのは大変なんで、はじめに読むにはこのシリーズはとてもおすすめだと思います。

とにかく、他の本も読んでみたいと意欲が湧きました。

この本は続編、最初の本も読んでます

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