今回読んだ本
「イエス!」を引き出す50の秘訣
影響力の武器 実践編
N・J・ゴールドスタイン
S・J・マーティン
R・B・チャルディーニ 著
安藤清志 監訳
高橋紹子 訳
この本を読んだきっかけ
メンタリストDaiGoさんが影響力の武器をおすすめしていて、前から気になっていました。
訪問看護の仕事で、利用者さんが良い方向に進んでいくために、自分が何かしら影響力を与えることができないか。
そのヒントを得たくて読んでみました。
著者紹介
ノア・J・ゴールドスタイン博士
現在UCLAで教鞭をとり、その学術研究および著述は心理学、ビジネス分野の多くの主要学術誌で採用されている。
スティーブ・J・マーティン
戦略に基づいた研修、コンサルティングサービスを提供しているインフルエンス・アット・ワーク(UK)の所長。世界中で講演を行い、トレーニングを実施している。
ロバート・B・チャルディーニ博士
アリゾナ州立大学の心理学およびマーケティングの指導教授。影響力と説得に関して世界で最も多く引用されている専門家であるとともに、100万部を超える売上を記録した草分け的作品『影響力の武器-なぜ、人はうごかさせるのか』の著者でもある。
この本はどんな本か
この本は、『影響力の武器[第二版]』に続き、第一線の社会心理学者が実証的研究の成果に基づいて、「なぜ、人は動かされるのか」をわかりやすく解説されたもの。
自分は説得の初心者だと思っている人でも、説得の心理を理解して、科学的に有効な方法を使えば、説得にかけてはベテラン級になれるとのこと。
この本には、そのテクニックが具体的に50の秘訣として書かれている実践的な本です。
50の秘訣(目次より)
- 不便を感じさせて高める説得力
- バンドワゴン効果をパワーアップ
- 社会的証明の思わぬ落とし穴
- 「平均値の磁石効果」を防ぐには?
- 選択肢が多すぎると買う気が失せる
- 特典のありがたみが薄れるとき
- 上位商品の発売によって従来品が売れ出す不思議
- 恐怖を呼び起こす説得の微妙な効果
- チェスに学ぶ、うまい一手
- 影響力をしっかり貼り付けるオフィス用品
- ミントキャンディーの置き場所再考
- 与えることが人を動かす
- 感謝の気持ちを蘇らせる一言
- 千里の道も一歩から
- ラベリング・テクニックの上手な使い方
- 簡単な質問が相手の強力を引き出す
- 人を目標に結びつける積極的コミットメント
- 一貫性をもって一貫性を制す
- フランクリンから学ぶ説得のコツ
- 小さなお願いが引き出す大きな成果
- 安くする?高くする?オークションの売り出し価格
- さりげなく能力を際立たせる
- 優れたリーダーの力を最大限発揮させるには
- 機長症候群の教訓
- 集団思考の落とし穴
- 悪魔の代弁者の効用
- 最良の教材は過去の失敗例
- 短所を長所に変える最善策
- 弱点も見せ方次第
- 過ちを認めて、防止に全力投球
- システム障害発生、でも責任者は救われる
- 類似点が導く大きな力
- 名前の響きの意外な効果
- ウェイターから学ぶ説得術
- 人の気持ちを変える本物の笑顔
- 日付違いのマグカップが完売した理由
- 損失回避と希少性の原理から得られる教訓
- 説得を後押しする決めの一言
- 想像しやすさが成否を分ける
- 読みやすく簡潔に、が鉄則
- 員を踏むことで増す影響力
- バットリングと知覚コントラストの関係
- 一足早いスタートでロイヤルティを勝ち取る
- クレヨン箱の中にある説得のヒント
- どこまでも、どこまでも、伝わるメッセージ
- 鏡の中の「望ましい自分」が人を導く
- 交渉ごとに悲しみは御法度
- 注意を鈍らせる感情の高まり
- 明晰な意思決定は睡眠から
- 「トリメチル・ラボ」で手に入れる影響力増強薬
影響力の武器(原理)
人に影響を与え、説得するのに必要なことがあるそうです。
それは、ロバート・チャルディーニの書籍『影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか』で探求された、六つの普遍的な社会的影響力の原理に基づいたテクニックとのこと。
その原理6つとは、
- 返報性(恩恵を受けたら報いなくてはならないと感じること)
- 権威(専門家に指示を仰ごうとすること)
- コミットメントと一貫性(自分のコミットメントや価値観と一貫した行動をとろうとすること)
- 希少性(手に入れにくいものほど求めたがること)
- 好意(好意をもつ相手ほど賛同したくなること)
- 社会的証明(他人の行動を指針とすること)
訪問看護で生かせそうな影響力の武器3選
1つめ
恐怖を呼び起こす説得の微妙な効果というものです。p33~
これは、聞き手に恐怖を与えるコミュニケーション方法は、
その恐怖を取り除くための行動を聞き手から引き出す効果があるというもの。
ただし、この原則には例外があり、恐怖を与えても、明確で具体的な危機回避手段が伝えられないと、聞き手はその情報を「遮断」や「否認」することがあるそうです。
本に例が書いてあります。
医師や看護師が太りすぎの患者に対し体重を減らしてもっと運動するよう促す場合、減量しないといかに危険かという点を強調する必要があります。しかし、具体的な食事制限や体操メニューなど、患者が行動に移せるようなわかりやすい方法で援助しなければ効果がありません。
-中略-
適切な行動プランを一緒に示さなければ、逆効果にさえなってしまいます。
p35
これを読んで、どうして運動が必要か説明しても、中々運動が身につかない方がいるのは、そういうわけだったのかと納得できました。
2つ目
千里の道も一歩からというテクニックがありました。p57~
これは「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」と呼ばれている方法。
最初に小さなことを頼まれたときに、強制的にではなく自分から進んで同意してもらうと、それが心理的なきっかけで目標にむかっていくそうです。
このテクニックは自分にも有効とのこと
自分自身に影響を与えようとする場合にも、到達不可能と思われるような大それた目標を掲げるのは考え物です。それよりは、一度も実行しないことなどありえないほど小さな課題を設定したほうがよいでしょう。
p61
これを読んで、入浴がおっくうになってできない方に、足湯だけでもしてみたら、徐々にお風呂に入れるようになったのはそういうわけだったのかと気づきました。
3つめ
さりげなく能力を際立たせるというテクニックp92
これは、自分の専門知識を披露して認めさせようとすると、自慢好きのうぬぼれ屋と思われて、相手が自分を良く思わない問題を防ぐため、自分の専門知識や資格について他者に伝えてもらうことで、信頼してもらえるというテクニック。
これは自然と使っていることに気づきました。2人で1人の利用者さんを担当している時、もう1人の担当者の良い評判を話しておくと、とってもスムーズに引き継ぎができたり、拒否などが出ないと体感していました。
まとめ
この本には、相手に影響を与える50の秘訣が書いてあります。
秘訣はそんなに難しいものではなく、自分にも取り入れやすいものがたくさんありました。
また、普段から自然と行っていた行動が実は影響力を与えやすい行動だったんだぁΣ(・ω・ノ)ノ
と気づけたので、同じような場面になった時、再現できると思いました。
無理なく相手を説得したいと思った時、相手に良い影響を与えたいと思った時、是非読んでみることをおすすめします。
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